名古屋市 鍋屋上野浄水場 訪問記

第5回緩速・生物ろ過国際会議のテクニカルツアーで、名古屋市の鍋屋上野浄水場を訪問しました。(訪問日:平成26年6月21日)

 

浄水場:鍋屋上野浄水場

事業体:名古屋市上下水道局

所在地:名古屋市千種区宮の腰町1番33号

給水開始年度:1914年、2010年から更新工事

緩速ろ過の施設能力: 140,000 m3/日

急速ろ過法(150,000 m3/日)併設

ろ過面積:(1池当たり)3,420m2

ろ過池数:12池

原水:木曽川表流水(愛知県犬山市で取水)

浄水処理プロセス:普通沈澱*-緩速ろ過-塩素消毒

*普通沈澱池は、愛知県春日井市にある鳥居松沈澱池    (37,000m3 4池及び134,000m3 1池)で、原水高濁度時のみ凝集剤を注入

鍋屋上野浄水場は、1914年からほぼ100年近く稼働していましたが、2010年から全面的な更新工事を行っています。工事はほとんど終了しており、2014年3月末から12池のろ過池のうち3池に水が入り、ろ過水を急速ろ過の着水井に戻しつつ生物ろ過膜を形成させているところでした。

鍋屋上野浄水場の新しい緩速ろ過池の特徴は、越流管の流入部が可動式で浮遊している藻類などを効率よく排出できること、ろ過池の隅が丸くなっているなど滞留部分が出来難い構造となっていること、生物ろ過膜の熟成を考慮し3辺が斜壁になっていることです。また、流入部分も水が均等に流れ、生物ろ過膜を損傷しないような工夫がされています。

なお、緩速ろ過法の施設能力の140,000 m3/日は、東京都の境浄水場について日本で2番目の大きさです。

 

写真:鍋屋上野浄水場,鳥居松沈澱池

緩速ろ過池,越流管

隅と斜壁,ろ過池流入部分

鍋屋上野浄水場

鍋屋上野浄水場

鳥居松沈澱池

鳥居松沈澱池

隅と斜壁

隅と斜壁

緩速ろ過池

緩速ろ過池

越流管

越流管

ろ過池流入部分

ろ過池流入部分